
前回の記事で紹介しました「第4回・多摩美術大学日本画科・堀文子教室同窓展」
がはじまりました。1975年卒から1987年卒の面々が集う展覧会です。
堀文子先生、今年も会場の
柴田悦子画廊までかけつけて下さいました。
先生がかつての学生達が描いた作品を前に一点ずつお話をくださっている間
徐々にみな過去の多摩美日本画科時代にタイムスリップしていくのです。

久保田の萬壽が豪勢に振る舞われ
乾杯を合図に展覧会場は先生をかこんで新年会の様相へ。
当時から堀文子教室では宴は欠かせないセットなのであります。
学生時分からこの宴において本当にいろいろな事を伝えていただきました。
どんなことを?
と書こうとしても多すぎて、また大切なものですから
ワタシの筆力ではとても書き伝えられるはずもないのです。

人生のひとつのかたちを変わることなくずっと伝えて下さる先生です。
数ある展覧会の中でもこんなあたたかな心のつながりを感じさせる
会はそうあるものではありません。
いまさらながらあの時代の多摩美日本画でいられてよかったなぁ~、と
なによりやっぱり絵はいい、こんな世界はなかなか無いな。
あらためてそんなふうに感じさせてくれる会なのであります。
(写真/LUMIX G1/G VARIO 14-45mm)

前回の記事で紹介しました「第3回・多摩美術大学日本画科・堀文子教室同窓展」
がはじまりました。1975年卒から1987年卒の面々が集う展覧会です。
堀文子先生も大磯のお宅からかけつけて下さいました。
久保田の萬寿が並ぶちょっと豪勢な乾杯の合図で展覧会は開幕です。
各人小品一点ずつの展示ですが先生はその一点ずつの作品の前に立っては
1人ずつ作品の感想をおっしゃって下さいました。
ワタシの番です・・・ドキドキ・・・
先生 「アナタはお山がお好きなのですか?」
ワタシ「はい!」
先生 「それではお山の方に住んでいるのですか?」
ワタシ「いいえ、海の近くに住みながら山の取材に出かけます」
こんなやりとりなのですが、先生はこの頃のワタシの絵を知りません・・・・・
もちろんワタシが山岳風景を多く描いていることなど知りません・・・・・
しかも今回出品の小作品は、満月の下たくさんの桜が咲く絵、山の絵ではありません・・・
どうして第一声「アナタはお山がお好きなのですか?」などと聞けるのでしょう??
不思議なことですが判るんですね、見抜かれるんです。
絵から発するものを読めるんですね。
在学中加山又造先生も絵というものは読めるもの、絵から占いだって出来るのですよ!
そんなふうにおっしゃっていました。
そんな眼力を持たれた方に作品を見られては裸同然、すべて筒抜けですね・笑
先生はまた「ワタシが関わったみなさんの作品、1つとして似ている絵がありませんね、
そこがとても嬉しく誇らしく思います」と嬉しそうにおっしゃっていました。
「似ている絵を描こうなんてさもしさの見える絵は絵じゃありません」とも話されました。
キッパリといい話です。
宴会は多摩美らしい和やかな雰囲気で続き、終電近くでやっと散っていきました。
堀先生は変わらずカッコイイなぁ、やっぱり絵の世界、いいんだよなぁ~、と
しみじみ感じた、ちょっと遅めの新年の会となりました。