 府中伊勢丹美術画廊での個展も無事終了いたしました。 会期中会場まで足を運んでくださった方々、あらためて御礼申し上げます。 と、数日間展覧会場通いをして外の空気を吸い、いろいろな方とお話しも出来 いい意味でリラックスしたわけなのですが、すかさず今はまたアトリエモードにスイッチ。 今年最後の個展へ向けてラストスパートとばかりに筆を入れています。 つぎなる会場は九州、福岡三越美術画廊です。九州では初個展になります・(^-^) 今年は北海道は札幌、名古屋に福岡と作品が廻っていてまるで巡業のようですね。 もっとも来年も前半から個展や展示会は予定されているわけで、 なにも12月までの一年で区切る必要はまったく無く、 むしろそのまま区切らずにつながって考えるのが自然なのですが 何となく気分的に、今年の展覧会は次でラスト、と考えると気合いが入ります・笑 制作のために残された時間もあと一週間ありません、ガンバッテもそう変わるものでは ありませんが少しでも良いものに仕上がるよう筆を入れましょう! 写真は前回の記事でも話題にしました府中は大國魂神社の参道風景です。 日差しのあたたかい日に七五三でおめかししたご家族が多数、いい感じですね。 いい感じといえばコンパクトデジカメのリコーGRD,借り物にもかかわらず 今までけっこうなショット数を撮っていますm(__)m (もうバレバレかも知れませんがワタクシカメラズキデス・笑) 写りもキリッと安定していますし、シンプル過不足ない操作感、程良い大きさや重さ、 そしてモノとして喜びを感じる材質感と実にちょうど良く上手い仕上がりです。 工業製品でも愛着を感じるモノとそうでないモノがあります。 GRD、愛着がこれ以上増さないうちにお返ししなくてはいけませんね・笑
展覧会開催中ですので会場までせっせと通っています。 府中伊勢丹美術画廊での展覧会も5回目、5年続けて通っていますので慣れた道です。 それにしてもモグラのようにアトリエにこもり続けていた身です、青空が目に痛い・笑 電車に乗ることも希な暮らしぶりです、街に好んで出ることも無いわけですから 目にするものみんな新鮮に映ります。普通のことなのでしょうがワクワクします・笑 乗り換えで使う川崎のプチワイルド入った雑多ぶりを確認して満足し、 南武線のローカルぶりも変わらずでこたえられません、休日のユルイ空気が流れています。 府中本町で下車して個展会場までは歩きです、この道がナカナカいいんです。 仕事に向かうせっついた足取りというより、たらりお散歩気分で歩きます。 ちょっと気になる アトリエ77という絵地図作家の工房を脇目に進み、 (いい絵地図なんです、ワタシも以前にいくつかの絵地図をここでゲットいたしました) ほどなくすると大國魂神社の境内に入っていきます。大きな木々が茂った立派な参道です。 毎年個展はこの季節なので紅葉が見事なのですが、今年は少々遅れてしまったようです。 時節柄毎年見かける七五三に訪れた家族がみんなでおめかしして記念撮影しています、 お父さんはここぞとばかりにシャッター切りまくっています・いい感じです・笑 写真は参道口に鎮座するケヤキの老木、御神木になります。 いい木を眺めるのが大好きなものですから毎年の再会を楽しみにしています。 ここを抜けると個展会場のある府中伊勢丹は目の前です。 しかし会場入りする前にまだもう一つ眺めていかねばならないところがあります。 写真奥に見えているケヤキ並木です。紅葉には遅れましたがまだ葉は残り車道を覆い とてもステキな天然木トンネルと化しています。 並木の木々はたいへん立派で大きく、はじめてこの個展会場に来たときは ビックリ仰天でした。のちに知ったのですがこの並木自体が天然記念物指定だそうです。 個展会場に詰めて息がつまってくるといつもケヤキ並木を眺めてはホッとしています・笑 自宅から府中までは遠いのですが、好きな街だと楽しく気分もいいものです。
 昨日展覧会の作品引き渡しをひとつ終えました\(^O^)/ 展覧会(個展)は明日19日(水曜日)からです。府中伊勢丹の美術画廊が会場になります。 今年は札幌や名古屋、福岡と作品と共に旅をしているような状態なのですが 府中は東京のはずれの街、落ちついた雰囲気がある好きな街ですのでホッとします。 百貨店の画廊が会場ですから大作ばかりというわけにもいかず、小品が多く並ぶ展観に なりますが、お近くの方はご覧になってみてください。よろしくおねがいしますm(__)m ワタシは金土日の午後に在廊する予定です。 写真は今回出品している30号作品の部分になります。モチーフはこのブログにも よく登場する「ラダック」の風景ですね。そこにふたつ前の記事でも書きました 「タルチョ」を配してみました。洗濯物じゃアリマセンヨー・笑 あともうひとつ個展の作品引き渡しを終えたら制作山場は終わります。 今年のアトリエ籠もりも、もうひと踏ん張りです! 我が家の絵描きさん二人は制作がひたすら続いてグロッキー気味・・・ エネルギー切れだなぁと感じる今日この頃・・・このままじゃイカン・マズイと・・・ ひそかにアトリエ大脱出を画策中・フッフフ・考えるだけでも元気が出てきます・笑
  今回の青山アトリエ作品紹介はお花のスケッチ「大人のためのクラス」から3人の作品になります。使っている画材は画用紙に鉛筆、彩色には透明水彩絵の具や顔彩、画材店や文房具屋さんで普通に置いてあるものを使っています。 コスモスが2点にホトトギスがモチーフです。どれも印象的な秋の花ですね。 上の作品は水をタップリ使って柔らかくぼかした背景に丁寧に描かれたコスモスの花、まるで秋の空に風で揺れているような風情、清楚な雰囲気が漂います。 下左の作品もコスモスの花。作者の印象をもとにいろいろな色味が入って、より秋らしさをかもし出しているように思います。花の形も自然さをよくとらえていますね。 下右の作品はホトトギスの花、画像が小さく判り辛いですが細部まで良く描き込まれていて植物図鑑にも使えそう、紫色は難しいのですがつぼみの紫など良く発色しています。 ホトトギスを描いた作者が「描いてみてわかったんですけど、このお花本当に面白い形なんですね!植物ってみんな違っていて、それぞれ良く出来ていますね!!」と話されていました。 同感です・笑 スケッチの基本はよく観ること、観察すること。大げさなものは何もないんです、よく観て描いていくと描き手には発見がもたらされます。ただそれだけの事なのですが、くり返しいろいろとスケッチを重ねていくと、今まで見過ごしていたものが面白く見えてきたり、見慣れたものが初めて見るように新鮮に見えてきたりするようになります。 このことだけでも「豊かなことだなぁ~」と思うのですが、いかがでしょうか?
 またまたお話しはクルッと変わって旅モノですね。 写真は20年前のポジフィルムからスキャンしました。ポジの保存状態が悪く少々カビやシミが出てしまったりして残念なのですが、まあそこは気にせず行きましょう・笑 スカッとした青空に原色の旗がはためいています、ここは以前 続き物で記事を書きますと言っておきながら更新止まっていた土地、リトルチベットと呼ばれるラダックです。 この旗のことを「タルチョ」といいます。チベットのゴンパ(寺院)や風の吹き抜ける高台には必ずこの旗が盛大に掲げられています。よく見ると旗にはチベット仏教の経文がビッシリと書かれています。風でタルチョがはためくと経文を唱えたことになる、とされています。 他にもチベットの方が手にしてクルクル回している「マニ車」なるものもありまして、こちらも回すと真言「オムマニペメフム」を唱えたことになるというすぐれもの。 ふむふむチベット人、ナカナカ合理的です。 タルチョの色は基本5色。青が空 、白が雲、赤が火、緑が水、黄が大地をあらわしています。マントラで宇宙を説きタントラで宇宙を描いたチベットです、なににつけても意味深長ですね。 タルチョには他のスタイルもあると聞きますがワタシが今のところ巡ったチベット地方ではだいたいこの形でした。場所によってはいくらなんでもコレハ盛大過ぎませんか?といった程にかかげられていて、そんな四方八方めぐらされたタルチョは天空に近いこの土地の風を受け、絡みほぐれつつ何時も止まることなくためいています。 いつも急ぐ旅ではありませんので丘の上、眺めの良いところで寝ころびボンヤリを決め込むこともたびたび、そこにはたいていタルチョがはためいています。紺碧の空にタルチョはためき、目を閉じれば「パタパタ、ピュー」と風切るタルチョの音。本当にいい感じです。 ワタシは特別にチベット仏教(チベット密教)を信仰しているわけではありません。しかし信仰の位置づけが希薄な日本に生まれて、いったい宗教ってなんなのですか?という長年の素朴な疑問にひとつのかたちを示してもらったのもこの地でありました。 その土地での、その自然の中での祈り、願いのカタチ。 それがスッと抵抗もなくここでは感じることが出来たように思うのです。 いままで作品の中にもタルチョはモチーフとして何度か出て来ていますが、鑑賞する方からいつも「ずいぶんたくさんの洗濯物ね」といった感想をいただきます・笑 そのたび「これはチベット地方で信仰の旗でして・・・」 などといつも説明してまわっているのは言うまでもありません・笑
 先日多摩美術大学日本画科の大先輩にあたる画家仲山計介さんの 「還暦を祝う会」なる集まりがありました。 制作ままならずひたすらアトリエにへばり付いていますが、せっせと筆を進め 半徹夜で少々フラフラしつつも満を持して出かけました・笑 仲山計介さんは「エオンタ」シリーズの大作で知られる画家。 ワタシにとっては美術を志した頃からのスター、当時の美術誌に掲載された 作品エオンタを憧れのまなざしで食い入るように見ていた記憶があります。 現在は画面サイズ縦2メートル横100メートル!!の超弩級大画面作品である 「創世記」の制作に取りかかられています。 そんな計介さんお祝いの会に後輩の絵描き達が集まりました。年齢差30才以上もあるであろうバランバランの縦繋がりですが、それぞれ精力的に作家活動をしている画家達です。 お祝いといってもお店を借り切って豪勢にといった見栄張りとは無縁の完全手作り。 先輩の1人がアトリエを開放、会場を提供し、各人それぞれが何品かづつ料理やお酒を持ち寄り、ケーキや記念の品も用意してと、それはもう心のある温かい会でした。 ようするに、俗に言う学生乗りじゃないの?という声も聞こえてきますが その学生乗りをずっと10年も20年も変わらず続けて来られた事が凄いです。 多摩美の日本画卒には伝統的に多いのかもしれませんが、こちらの面々も一匹狼的スタイルで いわゆる学閥や団体や伝統日本画的徒弟制度に含まれないところで活動している画家が多く、 またそれぞれ各人にとって利害関係がまったくありませんので、いわゆるヨイショは無しよ、といった間柄。 それぞれのポジションで制作活動を続けて「絵を描いている」という志しを共にしている運命体といった感じでしょうか。 こんな気取らずフランクな集まりを催せるのも計介さんのお人柄だと思います。 実と心のある空気がそこにあり、知らず知らずにつながり伝わっていく、 こんな型から入らなくとも、じわりつくられていく伝統というのがあるのだな と感じさせられた、いまどきホッコリといい感じの集まりでした。
 いきなりですが、これはまたググッとリアルなオジサマの絵ですね・笑 こちらは青山アトリエ中高生のためのクラスからの作品紹介になります。 作者であるお嬢さん曰く「オジサマのヒゲが描きたかった」と言います。 なかなかの趣味、感性じゃぁありませんか・笑 この作品は近ごろ日本でも大きな作品展が行われて、大いに話題になっていた イギリス在住のオーストラリア人彫刻家ロン・ミュエク(Ron Mueck) という作家の作品模写になります。 それにしてもよく描けていますね!! ロン・ミュエクの彫刻そのものも巨大スーパーリアルで知られていますが 鉛筆でケント紙に描かれたこちらの作品も負けずにとってもリアルです。 少し伸びた無精ヒゲはもちろん、刻まれたシワや肌の質感まで感じられて どことなくユーモラスな雰囲気さえ漂います。 輪郭の強弱や髪の省略までも決まっていてカッコイイですね。 鉛筆のみでここまで描けるのである、といった可能性を強く感じます。 自分の世界をつくり表すのが絵の表現だとしたら、 その世界を作りつつあるようにも思います。 しかし表現の世界は自分しだいでどこまでも深く広くなっていくものです。 これからも興味のある世界をジワリジワリと探り広げつつ、 いろいろなモチーフに挑戦していってくださいね!
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