
青山アトリエ「子供のためのクラス」では、いま木を磨いています。
拾ってきた木の枝をひたすら磨きます。
荒い紙ヤスリからはじめて少しずつ木の皮を削っていき、だんだん細かいヤスリで磨き
使い古した紙ヤスリでも磨き、指でこすってとことん磨きます。
子供たちはワケもわからず落ちていた木を磨き始めるのですが
アトリエの3時間ひたすら磨き続けるうちに
木の皮ははがれ、だんだんツルツルしてきて、
それぞれの木の表面には描いたような模様が浮かび上がります。
なお負けずに磨き続けるとだんだん艶が出てきて美しい光沢を持ちます。
いったい何をやっているんだろう?
不思議がっていた子供たちもその単なる朽ち木の変化するさまに
すぐに気が付き夢中になっていきます。
しまいにはそれぞれの木から出てくる模様の違いや面白さに驚き、
鏡のように磨かれた朽ち木に喜んでほおずりして触感を楽しみ、
クンクンそれぞれの匂いの違いまで嗅ぎくらべています。
虫のすごした穴を見つけては喜び興味津々、
出てきた削りかすまでナニカにならないかといとおしそうです。

技術も知識もいらない、きっかけと根気さえあれば出来る
役に立ちそうもない、こんな作業こそ原点だと考えます!
価値の無さそうなものに価値を見いだし、手触りや匂いを感じ夢中になれる!
朽ち木一本が小宇宙。
五感を刺激する喜び驚きは身近に転がっています。
磨き始める前の拾ったたんなる朽ち木はいまや彼らの宝。
一本ずつていねいに名前を書いて次の作業を待ちます。
「くだらない、と思われることこそなおさら全力でガンバレ!」
と、伝えたいと思っています。
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