
早朝のパハルガンジ。メインバザールと言った方が通りがいいかもしれません。
インドの首都ニューデリー駅前にのびる一本の道に広がる大安宿街のことです。
海外バックパッカーとしてすべての旅はここからはじまったのです。
それまで日本国内をバイクにテントと炊事用具をくくりつけ
年中ぐるぐる巡っては経験を積みかさねていましたので
自分なりに旅のノウハウや適応能力には相応の自信を持って出かけたのですが
この初海外旅でそんな自信は粉々に砕かれてしまいました・笑
せっせと培ってきた知識や常識もまるで役に立つことなく
一旦自身崩壊、解体・・・という結果に。
長旅から帰国して絵筆を持とうとするも
旅で受けたインパクトが大きすぎ、なにかを描こうにもリアリティが感じられず
まるで画面に定着することが出来ずにただ悶々とした日々を過ごしました。
今から20数年前のことです、なんと四半世紀前になるのですね。
この朝のミルク買い出しの女の子達も今ごろは子供のいるお母さんかな?
このころたしか貧困国からユニセフ親善大使黒柳徹子らが
「ボロを着て靴も履くことが出来ない子供たち」をテレビ画面で紹介して
可哀想だわ、悲惨だよ、との声が聞こえてきていた頃でもありました。
違和感を感じました。
たしかに飢饉や病気の蔓延、そして戦争などはまさに悲惨です。
ただしボロを着ていようが靴を履かなかろうが可哀想なことではない。
まして熱帯や亜熱帯気候の土地で足を窮屈に包み込んだ靴など履く方がおかしい。
普通に考えて蒸れて気持ち悪いじゃないか。
きれいなお洋服=幸せ。なんてもんじゃあない、ということであり
そんな違和感はこの旅以降さまざまな日常で感じるようになりました。
そしてそのまま旅を重ね、今に至っているように思います。
あのボロボロの旅がひとつスタートラインになっている気がするのです。
(写真/Nikon F3 ポジフィルムからのスキャニング)
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